医学のあゆみ・37
新しい寄生虫—トキソプラスマ
杉 靖三郞
pp.27
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909709
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トキソプラスマというのは,マラリヤの原虫と同類のもので,虫といつても,核一つ,と原形質とだけからできている。「単核細胞」の生きものである。これが鳥や,けものはもとより,人間にも寄生していて,胎児や幼児には命とりになることは,以前から知られていた。
最近ドイツでこのワクチンをつくり,調べてみたところ,西独のボン市の近くでは,高校生の20%が陽性であり,市民では約7.5%であった。その他,欧米の各地では,大体20%前後の陽性者がみつかつた。それで,近頃,欧米の医学界では大きくとりあげられ,一般での話題になつている。
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