講座
血圧の生理と血圧の計り方
遠山 豪
1
1三重医大
pp.11-15
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909573
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動脈血圧の最高血圧(或は收縮期血圧)及び最低血圧(或は拡張期血圧)の意義
心臟が收縮期に入ると大動脈弁は開き血液を大動脈内に圧入する。その為に大動脈内圧は上昇する。心臟が拡張期に入ると大動脈弁は閉じ,血液は漸次末梢部に流出して大動脈内圧が下降する。かくの如く大動脈内圧は一心搏動毎に上下する。その内圧の最大値を最高或は收縮期血圧といい,最低値を最低血圧或は拡張期血圧と称する。
この様な血圧に影響する物理的の要素を考えて見るに,1)心臟よりの血液搏出量2)血液の粘稠度(末稍への血液流出速度に影響する)3)大動脈の弾性4)末稍血管の抵抗等を挙げることができる。心臟病によりその筋力が減弱すると心搏出量が減少して血圧が下降する場合がある。
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