インタービュー
二人三脚という姿—院長と總婦長の對談(昭和病院にて)
上條 秀介
,
地引 喜太郞
,
鈴木 モヨ
pp.38-43
発行日 1952年12月15日
Published Date 1952/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907208
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巨樹ながら若葉むらがりみづみづし—秋櫻子
これは昭和醫專創立當初の職員をしていた水原氏が上條さんにおくつた俳句である。然し,ここに掲げたのは上條さんの印象が俳句的だというのではない。卒直にいえば,むしろ,散文的であり,烈しいリアリズムを感じさせる。長野縣の産,松本中學から一高,東大を秀才で通して來た揚句に,卒業後三年目に博士號,昭和醫專を創立したのは32才のときだというから恐れ入つた話である。努力家であり事業家である。爾來25年,今年は59才というわけであるけれども,トシには見えない。
この5月に出版された自傳「上條秀介」のなかにある近藤日出造氏の“お顏拜見”によると,人相學上エラが張つているのは意志強固の象徴であり,眉毛が離れてくつついているのはノンキ者の相であり,鼻筋がツンと通つているのはヒヤツと冷たい人であり,大きな口は度量の大きさを現わし,豐かな耳は金運を意味し,眼がやさしいのは心の優しい看板だそうで,そうすると結局上條氏は“意思が強固でノンキ者で,温かい人で肝つ玉大きく,心やさしく金には困らない人物”ということになる,(のだそうであるが)これは,なかなかウガつたプロフイルである。
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