特集 総婦長
誌上対談
院長より総婦長に望む
美馬 陽
1
1健康保険鞍馬口病院
pp.43-44
発行日 1967年12月1日
Published Date 1967/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203243
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病院医療は組織がきわあて複雑であると一般にいわれている。なるほど20種におよぶいろいろの職種が狭い地域に集まって社会を構成しているけれども,この組織が単に組織として動いているのではなくて集団としての一丸となって病院の機能を発揮しておらねばならない。組織作りに専念することは,われわれとしては大切な初歩的仕事ではあるが,この組織を集団として活動させることはわれわれ長たる者のさらに大切な任務である。院長がこの集団の代表者であるという強固な意志を持っていることが必要である。
ある一定の限定された条件の下で集団活動をするためにはその長はいかなる意図を持つべきかを常に研究しておらねばいけない。院長である者の任務はこの病院という集団が一丸となって成果をあげるように計画を持たなければならない。院長はこの計画をしなければならぬという大切な任務があると同時にそれぞれの責任者に計画を実行させることが,さらに重要である。計画があってマネージメントする社会で働く者と,計画がなくてもマネージメントする社会で働く者との間にはその成果に大きな差がでてくることは申すまでもない。この計画をするということにおいて院長の次に最も大切な役目を果たさねばならぬのが総婦長である。院長の下でのマネージャーとも尊ばれるべき者が総婦長である。病院の職員の約半数を占め,その業務の大半を達成する看護職関係者が集団的に一丸となって成果をあげるように計画するのが総婦長である。
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