滲透教育講座
滲透教育とは?/麻疹腦炎の患者の取扱い—病院綜合業務研究會の記録
金子 光
1
,
原 素行
2
1厚生省看護課
2都立第一高等看護學院
pp.6-30
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907029
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病氣になつて入院加療中の患者さんに,よりよい看護をほどこし,よりよいサーヴイスをするためには,どうしたらよいでしようか—此の問題は,先輩看護婦の努力によつて長い間研究され,現在最も新しいこころみとして行われているものが,臨床看護に公衆衞生面と,社會面とをとりこみ,最も適當にこれらを組み合わした方法,治療と,豫防と社會問題と滲透した立場から患者を看護するということなのです。從來のように,入院した患者を,病人個人として其の對症的治療や看護だけを行う消極的なことでなく,すゝんで患者さんに退院後の家庭に於ける療養の方法や,更に將來の健康生活のやり方について細々と具體的に教え,同時に,社會に存在するあらゆる機關や施設,又は組織を利用して健康をまもり育てる方法,社會人として患者をみ,その背後にある諸問題を解決出來るように教える積極的な面を多分にもつ事であります。
このような看護のあり方をするためには,看護婦になる準備として教育内容を刷新する必要が生じて來ます。新しい制度に基く看護婦の教育課程の中には,即ちこれらに必要な要素が含まれ,いわゆる滲透教育として薪しく歩みはじめているのです。
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