結核特集號
結核の外科的療法
中井 毅
1,2
1國立中野療養所
2昭和醫大
pp.10-13
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906849
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結核症は全身の各部諸臟器を犯す疾患であるが,結核と言うと一般には肺結核と解される位好んで肺を犯すものであるし,亦他部諸臟器の結核症も肺結核に引き續いて起るのが多いのである。
結核菌が体内に侵入して始めて病變を起す場所は,97%或はそれ以上が肺であり,殘りの大部分は腸で,これ等以外の場合は極く稀れであると言われている。それなのに結核が肺や腸以外の全身各部諸臟器を犯すことがあると言うのは,結核症が轉移によつて進展する病氣であるからである。轉移によつて色々な場所に病變を起して行くと言つても,結核菌は運動性を持たないので自力ではなく,他の力によつて移動するために,一定の經路によつて轉移する。それは次の樣な3つの方法の何れかによるのである。淋巴流か(淋巴行性),血流か(血行性),或は纎毛上皮細胞又は滑平筋の運動(管内性)によるかである。だから結核は1つの場所或は幾つかの臟器を順に,又は同時に轉移し病變を起すのである。
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