Japanese
English
結核
結核と外科
Tubereulosis and Surgery
都築 正男
Tsuzuki Masao
pp.1-5
発行日 1950年1月20日
Published Date 1950/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200576
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從來から,外科臨床で取扱う結核症を「外科結核症」と唱え,内科的に取扱うものと区別されている. 骨や関節の結核,淋巴腺の結核,皮膚の結核,結核性痔瘻等が主なるものであつた. 治療学の歴史を飜いて見ると,或る時代には「メス」を以てする切開又は切除手術が治療の主体をしており,又次の時代には保存的に固定繃帶,放射線等にょる治療が重視せられると云うように,治療術式は色々と移り変わつて行くが,何れにしても,病変の状況と治療法の主体とから考えて,外科臨床で病者を観察していた方が都合が良いと考えられるものを一括して「外科結核症」と呼んでいるのである. 從つて,現在では,多くの場合,特殊の專門分科で取扱われる眼の結核,耳の結核,口腔の結核,男女生殖器の結核等も広義の外科結核症である.
近時,内臓の疾患に対して,外科治療が行われるようになつてからは,肺の結核,肋膜の結核,腸の結核,腹膜の結核,腎臓の結核等も屡々外科治療の対象となるようになつた. 然しながら,此等の疾病は常に治療法の主体をなすものが内科的治療であることが多いので,上述の意味での外科結核症とは少しくその趣を異にする.
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