看護學講座
内科
橋本 寛敏
pp.53-60
発行日 1948年7月15日
Published Date 1948/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906356
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パラチフス
腸チフスと同じ樣な病氣だが,病原菌が細菌學的にチフス菌と區別せられるので,病名もちがうだけである。パラチフスにはAとBがある。パラチフスAは稀であつたが戰時中には一寸流行したことがある。
パラチフスの潜伏期は腸チフスよりも稍々短かく,發病は稍々急で,惡寒,頭痛があることもあり症状は一般に輕いが,實際の場合には,症状だけでは腸チフスと鑑別することが困難で,細菌檢査でのみ明かに診定される。嘔吐,腹痛,下痢が激しく食中毒として取扱はれることもある。死亡率も腸チフスよりは少い。
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