連載 カズのカンボジア日記・9
働かざるもの食うべからず
崎間 和美
1
1アンコール小児病院
pp.480-481
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906038
- 有料閲覧
- 文献概要
熱気と興奮につつまれた一夜——
すごい!すごい!久々に興奮しました.キックボクシングです.シェムリアップの町に数か月に1度ボクシングの興行が来るのですが,先日初めて行ったのです.今まで機を逃していたのですが,“1度くらいは観ておくか!”と行ってみました.
何がすごいって,屋外に設置されたリングは50センチ程度の蛍光灯6本だけで照らされ,その周りにはバッタや小さな虫が霧を吹いたようにブンブン飛んでいる.その下で汗まみれの2人が戦っている光景からは何か熱いものを胃のあたりに感じてしまいました.ボクシング自体のテクニックはそれほどのものではないと思います(ド素人の私がいうのも変ですが…).でも,太鼓と竹のような管楽器から流れる音楽に乗って構えのポーズを取り,パンチの瞬間を狙っているボクサーの姿は獲物を狙っている動物のようで,また儀式的舞踊のようにも見えて,今思い出してもムズムズしてしまいます.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.