連載 図解—知っておきたい病態生理・17
先天性心疾患の病態生理
西崎 統
1
1聖路加国際病院内科
pp.460-465
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906033
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
循環器の病気を勉強し始めて,最初につまずくのが先天性心疾患です.心臓の働きもよくわからないうちに,たくさんの病名と症状,検査所見が次々と出てきて,それだけでパニック.試験前夜ひたすら丸暗記した知識を頼りになんとか試験はやり過ごしたけれど,今となっては何も覚えていない,そんな人も多いのではないのでしょうか.
先天性心疾患のうち重症なものは,乳幼児期に手術を受けなければ死亡してしまい,生き延びることは不可能.したがって,成人にみられる先天性心疾患は20年,30年と心臓が障害を抱えながら働き続けるうちに,とうとう蓄積疲労に耐えきれなくなり,症状を起こすものです.心房中隔欠損症や心室中隔欠損症,動脈管開存症,ファロー四徴症などがその代表,今回は,これらの先天性心疾患のうち代表的な疾患の病態生理を勉強してみましょう.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.