Update '98
癌化学療法における誤薬事故
池原 修
1
1沖縄県立中部病院内科
pp.141
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902378
- 有料閲覧
- 文献概要
1994年米国ボストンにある世界的に有名なDana Farber癌研究所付属病院で乳癌の患者が抗癌剤のシクロフォスファミドを誤って4倍量投与され死亡するという事件が起こった.この事件では被害者が著名な新聞社の医療問題担当の記者であったこともあり,マスコミを巻き込んで,後にDana Farber事件として記憶されるような大事件となった1).
この事件は,癌治療施設における抗癌剤投与量確認システムに欠陥があるのではないかという危惧を一般大衆に抱かせることになった.一方,この事件がマスコミで報じられたことがきっかけとなり,全米の7割以上の癌専門医療施設で,抗癌剤の誤投与を防ぐためのプログラムの導入あるいは見直しが行われたという1).
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.