看護婦がホンネで語る医療事故・1
事故は他人事ではない!—患者取り違え事故をめぐって考える
西村 浩一
pp.60-65
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903651
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とにかく最近,医療事故の問題がマスコミに取り上げられている.これだけさかんに取り上げられるようになるきっかけを作ったのは,99年1月に発生した横浜市立大学医学部附属病院の患者取り違え事故だろう.一時期など本当に,医療事故の記事が新聞に載ってない日はない,といってもいい過ぎではなかったほどだ.
確かに,以前に比べると事故が表に出るようになってきたし,マスコミも大々的に取り上げるようになってきた.だが,そこから現場の看護婦たちの声が聞こえてくるかというと,必ずしもそうではない.いやむしろ,患者と接する機会が最も多い関係上,当事者として医療事故にかかわる可能性が最も高い看護婦の存在が,一連の報道からはスッポリと抜け落ちているようにさえみえる.記者会見のテーブルに並んでいるのはいつも,病院の事務方や医師ばかりだ.
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