連載 図解—知っておきたい病態生理・15
甲状腺機能亢進症の病態生理
西崎 統
1
1聖路加国際病院内科
pp.264-270
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906012
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ホルモンの関係する病気はなんとなく苦手,という人は臨床の看護婦さんにも多いのではないでしょうか.視床下部の指令が下垂体に届き,下垂体から分泌されるホルモンがまた内分泌器官にホルモンの分泌を指令し,さらにフィードバック・システムとネガティブ・フィードバック・システムが働いて…,と考えただけで頭が混乱してしまいそう.内分泌疾患が苦手という人の頭の中も,たぶんこんな状態ではないかと思います.
内分泌系は,神経系とともに体内のさまざまな組織や細胞に,身体の内外の環境変化に対応するよう指令を出しています.一般に,神経系の指令は,神経線維による電気的伝達で,迅速かつ瞬間的であるのに対して,血液中へのホルモン放出によって行なわれる内分泌系の指令は,ゆるやかで,かつ持続的です.
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