連載 臨床実践
今日からのリスクマネジメント実践講座(トピックス編)・12(最終回)
—報告書について考える(2)—書式,記載方法,管理方法について
鮎澤 純子
1
1東京海上メディカルサービス株式会社メディカルリスクマネジメント室
pp.1156-1161
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905996
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はじめに
「このテキストのなかで述べていることは,あくまでも,リスクマネジメントと医療の質の確保の実践にあたっての“参考”としてもらうことを目的としたものです.“決められている基準”でもありませんし“従うべきこと”でもありません.…(中略)…法的な問題については,弁護士に相談してください」
これは,本誌10月号で紹介したリスクマネジメントのアドバイザリー会社であるFOJPがベス・イスラエル・メディカルセンター(BIMC)をはじめとする5つの病院に配布している,カルテの書き方に関するテキストに書かれた一節です.実は,世にでているリスクマネジメントのテキストのほとんどには(学会のレジュメにも!),こうした文章が書かれています.いうなれば,“テキストのリスクマネジメント”“書き手のリスクマネジメント”ということになるのですが,今回は私もそれを書いておきたい気持ちです.こういう場合,“そういう気持ちになるようなことには触れない”,すなわち“リスクの回避”が実は最善のリスクマネジメントなのですが,にもかかわらず,前号同様“あえて”考えてみます.
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