書評
インフォームド・コンセント―その理論と書式実例[ハイブリッドCD-ROM付]
辻本 好子
1
1NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
pp.928
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100801
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臨床に携わるすべての医療者,医学生へ
基本的に,というよりも個人的に,いわゆるマニュアル本の類は好きではありません。しかし本書は,私たち患者はもちろん,忙しい医療現場のドクターも希求していたに違いない,まさに時代のニーズに即した待望の一冊。患者の立場として,「医療側からの説明の際にせめてもう少し“わかってほしいメッセージ”があれば…」と願っていた矢先の出会い。願わくは,臨床に携わるすべての医療者と医学生諸君がインフォームド・コンセントの原則をつねに見つめ,有効活用するために手元に置いてほしいと心から思いました。
例えば胃がんと診断された患者の視点で,胃全摘術,胃切除術,腹腔鏡補助下胃切除術の説明文書実例を読んでみました。「なるほど」「そうか,そうか」と医療側が言わんとすることがよく理解でき,納得もできて,最後には「そう,こういう文書が手元にほしかった!」と思いました。ただ一つ,「間違っても日本中の病院が,医療者が,このままコピーした文書を手渡すだけであってほしくはない」とも願わずにはいられませんでした。
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