連載 臨床実践
ナースが防ぐ・治す廃用症候群 リハビリテーション技術のルネッサンス・3
放射線科・麻酔科領域の患者の廃用症候群治療
椎野 泰明
1
1社会保険広島市民病院リハビリテーション科
pp.284-288
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905800
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
今月は放射線科からと麻酔科から紹介を受けた症例を提示する.これらの標榜科からの紹介は少なく,放射線科からの紹介をみると,5年間で7名にすぎない.そのうち3名はがんの骨転移の症例であった.本稿では,転移性骨腫瘍の症例を取り上げる(症例1).これらの患者は,放射線治療の影響もあって,多くが体力消耗状態で,その点の配慮が重要である.
次に麻酔科からの紹介は,5年間で29名,そのうち多くが集中治療部(ICU)からで26名,ペインクリニックからは3名である.ICUにおいては理学療法を24時間対応している病院もある.実際ICUの患者に廃用症候群を予防しうるケアを行なうことは重要かつたいへんなことである.そこでICUに関しては9月号で再度掲載することとし,本稿ではペインクリニックから紹介されたまれな疾患として反射性交感性異栄養症の症例を提示する(症例2).このような比較的稀有な症例を経験したときの廃用症候群の予防について理解してほしいところである.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.