連載 臨床実践
ナースが防ぐ・治す廃用症候群 リハビリテーション技術のルネッサンス・1【新連載】
内科領域の患者の廃用症候群治療
椎野 泰明
1
1社会保険広島市民病院リハビリテーション科
pp.86-93
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905757
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はじめに
昔,リハビリテーション(以下リハビリ)技術は看護婦にとって大きなテーマであった.もちろん今でもその意識はある.しかし看護技術からみるとリハビリ技術は以前に比べてその地位を下げていると思うのは私だけか.1970年以前,看護のリハビリ技術はそれなりの地位を保っていたと思われる.しかし1965年の理学療法士および作業療法士法の施行以来,リハビリ技術は理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の独占業務であるという考え方が強く印象づけられ,看護婦はリハビリ技術から次第に遠のく傾向にあると思われる.
しかし患者にとってリハビリテーション(全人間的復権)のためには看護婦がリハビリ技術を復興する以外に良策はないと考える.というのはPT・OTが患者にかかわるのは1日のうち15〜40分でそのほかの時間は病棟で看護婦にゆだねられている.また近年,理学療法室・作業療法室は重装備となり,患者は多くの機械に囲まれてリハビリのための治療を行なっている.そのためリハビリはそのような場所でないとできないという錯覚を生じやすい.しかしリハビリのためには病室での治療こそが重要である.看護婦にリハビリ技術のルネッサンスなくして患者の幸せはあり得ない.
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