連載 臨床実践
ナースが防ぐ・治す廃用症候群 リハビリテーション技術のルネッサンス・2
外科・整形外科領域の患者の廃用症候群治療
椎野 泰明
1
1社会保険広島市民病院リハビリテーション科
pp.186-191
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905779
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はじめに
今回は,外科と整形外科から依頼のあった症例を提示する.
まず外科から最近5年間でどのような症例が紹介されたかを調査した.その結果は,消化器系のがんが最も多く,そのうち直腸がんと胃がんが4名ずつ,大腸がんが2名,食道がんと肺がんが1名ずつの計12名で全体(20名)の半数以上を占める.その他,乳がん3名,胃潰瘍と腸閉塞2名,腹膜炎1名である.このように当院外科から紹介された廃用症候群の基礎疾患の75%はがんである.ここで注意しなければならないことは,紹介された多くの患者が体力消耗状態を呈していることである.そして病棟看護婦はしばしば体力消耗状態の患者を“やる気がない”とみなしている.
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