連載 このひと'98
山内豊明さん—大分県立看護科学大学看護アセスメント学助教授―医師として,ナースとして,フィジカルアセスメントを追究中
八木 保
,
やまうち とよあき
1
1大分県立看護科学大学
pp.697
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905639
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病態生理学的には「治っていない」とされる患者でも,リハビリが効を奏して新しい日常生活を享受することができる—神経内科医だった山内豊明さんは,「治る」「治らない」という今日の医学の概念枠組みでは捉えられないものを感じていた.そして山内さんは,その答えを看護の視座に求めた.1995年3月に当時勤務していたCalifornia大学San Diego校を辞職してから3年間,集中講義や既修の単位認定制度などをフルに利用しながら勉強し,アメリカ人でも前例のない速さで看護の学士・修士・博士の学位を取得した.
この4月に着任した大分県立看護科学大学では,フィジカルアセスメントを中心とした看護アセスメント学を主に受け持つ.まだ1年生しかいないこの新設大学はアットホームで,後期からの授業を待たず研究室に学生が集まってくる,「学生は医療者とは違う新鮮な視点で,医療について質問を投げてくるので,話をしていて楽しい」と山内さん.しかし,「授業は学生に不評を買うかな」とも.500ページにも及ぶテキストを指定し,毎回50ページ以上を読んできたものとして進めるアメリカ流の講義を,「とりあえず1年やってみるつもり」でいるからだ.
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