連載 ケアのための病態生理学・2
消化器2 胃①
竹中 文良
1
1日本赤十字看護大学
pp.158-163
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905529
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胃の働きについて
胃がんで胃亜全摘術を受けたさる高名な外科医が,「胃がなくなってから本当に胃のありがたさがわかった,最近僕は“胃も脳なり”と考えている」と話しておられた.健康な時には特に考えることなく食べるものを口に入れても胃袋の中で適切に処置してくれているが,胃がなくなると食べるものを自分の頭で考えて食べないと消化できない,という意味だそうだ.
動物の中にはニワトリのように胃を3つ,牛のように胃を4つ持っているのもいる.これらの動物の胃では消化の良い物はいきなり第3〜4の胃に行くが,ゆっくりかみくだく必要のあるものは第1の胃にためられ,ついで第2の胃を通り,もう一度口の中にもどり,それから第3の胃に行くようになっている.
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