連載 道拓かれて—戦後看護史に見る人・技術・制度・13
看護提供方式の移り変わり—機能別からプライマリナーシングまで
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.90-93
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905514
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1997(平成9)年8月3日,琵琶湖畔のホテルは,看護婦の熱気に包まれた.前夜から続々と集まる全国の看護婦たち.再会を喜び合ういくつかのグループを見ても,ここに集まる人々の研究熱の持続を思わせる.これは第4回固定チームナーシング研究会(西元勝子代表)に集うた人々である.1700余名が集まったというのだからそのパワーに圧倒される思いであると同時に,看護提供方式の1つである固定チームナーシングの研究とはいったい何か,このエネルギー源はいったい何に由来しているのか不思議な思いさえした.
入院患者に対する看護提供方式は戦後さまざまに変遷した.機能別看護,チームナーシング,その両者の組み合わせ,そしてプライマリナーシングにモジュール式等々,あまりの目まぐるしさに,その意図や方法をマスターするのはたいへんである.これらは実際に看護を行なう看護婦たちの条件や,看護婦ヒューマンパワーのありようによって,また,看護管理の課題としてさまざまに模索されてきた.ただ,戦後10年間は,ほとんど疑問のないままに,圧倒的多数の職場で機能別看護を行なってきたことは,本誌を振り返って見ても明らかである.チームナーシング登場までは,この看護提供方式についての記事がほとんど見あたらない.そして,その後新しい方式が次々紹介されても,機能別看護だけはいろいろな形で今なお続いているのも興味深い.
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