連載 ケアって何だろう・12[最終回]
「ケアの科学」とは
広井 良典
1
1千葉大学
pp.1158-1165
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905490
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本年1月から始まった本連載も今回で最終回となる.「ケアする動物としての人間」という議論から始め,ターミナルケア,「深層の時間」とケア,ケアの市場化,サイエンスとケア,高齢化社会とケア等々と,ケアをめぐる幅広い問題にさまざまな角度から光をあててきた.“現代のケア論”にとって,筆者なりに本質的と思われる主題にはひととおりふれてきたつもりではあるが,それは多分に独断と偏見に満ちたものであり,はるかに広く,かつ深く広がる領域のほんの入口に立ったに過ぎないという感を強くしている.最終回の今回は,全体のまとめと今後の展望の意味をかねて,連載のなかでも何回かふれてきた「ケアの科学」の可能性について考えてみたい.
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