連載 ケアって何だろう・3
ケアする動物としての人間・2
広井 良典
1
1千葉大学
pp.252-258
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905298
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
人間の個体性と社会性
前回から,「ケア」ということが生物としての人間(ヒト)にとってどういう意味をもつかについて考えてきたが,ここで議論をもう一歩展開してみたい.
人間は,限りなく「自我」,いいかえると「個体性」ということが発達した生き物である.もちろん動物の世界もきわめて「利己的」ではあるが,人間ほど,この「私」というものにこだわり,執着する傾向が強い生き物はいない.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.