連載 『ケア学』の新地平 広井良典のケアをめぐる交話・7
ケアとソーシャルワーク
笹岡 眞弓
1
,
広井 良典
2
1文京学院大学人間学部
2千葉大学法経学部
pp.702-705
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100495
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広井 この連載では,ケアに関するさまざまな「境界」を越える仕事をされている方々にお話を伺っていますが,今回はまさに「医療と福祉」の境界にあり,また「病院と社会」をつなぐ役割を担う医療ソーシャルワーカー(MSW)として活躍してこられた笹岡真弓さんをお招きしています.
まずはMSWの現況から教えてください.
笹岡 最新の厚生労働省の発表によれば,現在1万人超のMSWがいるそうです.それから,2003年9~11月に,私が副会長を務める日本医療社会事業協会(以下,協会)で,全国の病院に対してSWの配置の有無を問う調査を(回答率50%超)行なったところ,100床以上の病院では76.4%,200床以上では90%でSWがいることがわかりました.1000床以上の病院では,SWを置いていないのはたった1病院だけ,この調査の全国平均でいえば,66.1%の病院にすでにSWがいます.また,病床数に比例して配置の人数も多くなり,平均配置人数は,2.5人です.
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