特別記事
医療関係の教科書に見る自殺の知識—北米の調査
布施 豊正
1
,
H・E・ジョンスン
1
1ヨーク大学自殺学
pp.857-860
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905427
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はじめに
ほとんどの国において自殺は死因の8位内に位置しているという事実からしても,自殺に関する正確な知識と情報が最前線に立つ医療従事者にとって不可欠なことは論を待たない.そこで当然,一般市民はもちろん,医療関係者の間でも特定の医療専門家(精神科医,臨床心理士,看護婦など)が高度の自殺に関する専門的知識を持ちケア・管理の方法に熟通していると考えられている.救急医療の発達,精神保健の専門化,細分化が世界の最先端をゆく北米では,さらにそうである.そこで当然起きてくる質問は「これらの医療専門家はどのような自殺学的知識を受けているか」という問いであろう.彼らは専門教育と訓練の過程で,専門教科書から正確かつ最新の情報を受けるわけだが,その現状はどうであろうか.医学ならびに医療教育において世界の最先端を行くと考えられている北米の実態を調査してみた.
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