連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第20回
北米の病院等に見るパブリック・スペースの演出
栗原 嘉一郎
1
1工学院大学工学部建築学科
pp.580-584
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901835
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はじめに
1995年9月9日(土)から23日(土)までの2週間,日本医療福祉建築協会のツアーでカナダ,アメリカの病院ならびに高齢者施設を廻った.その折の視察の全般については雑誌「病院建築」111号(1996年4月)に報告したので,本稿ではテーマをパブリック・スペースにしぼり,写真に重きを置いた紹介をしたい.
医療・福祉施設を構成する基本的な要素はもとより診療部門,外来部門,病棟(居住)部門あるいは供給部門,管理部門の諸室だが,それらをつなぐスペースとしてのロビー,待合,廊下,庭などがここにいうパブリック・スペースである.誰もが自由に往き交うこれらのスペースは特定の部門に属さないだけに,施設計画に当たって真剣な検討の対象から洩れがちであるが,患者,職員のアメニティに大きく関わるほか,見舞客など外部からの来訪者に与える印象を左右する重要なスペースである.
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