特集 今,子どもを看護する悩み
時代を反映する,総合病院にとっての小児病棟の存在感について
田島 香代子
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院看護部
pp.550-553
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905363
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はじめに
著者が小児看護に初めて真剣に向き合ったのは卒後3年目(1960年)のことである.当時としてはめずらしいことだったと思うが日本赤十字社幹部看護婦研修所の1年間の研究課題が,「看護の立場にたった病院設計」であった.小児看護を選択した者がグループを組み,小児病棟の理想的なあり方について語り合った.その時,設計の専門家の講義で小児のベッド数は全ベッド数の1割,つまり500床の場合は50床と指導を受けたことが印象深い.
あれから40年の歳月が流れ,21世紀に向けて新築された350床の近代病院の小児ベッド数が10床の病院があると聞き,思わず耳を疑ってしまった.医学が進歩し,少子化の時代を迎え,こどもたちの病気が“入院”をせずに治癒していくものであれば,こんなにうれしいことはないが,少なければ少ないなりのむずかしい課題があるように思う.
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