特集 家族にどうかかわるか
コンサルテーションを受けて家族へのかかわりが変わった
古江 洋子
1
,
加藤 久美子
1
1玄々堂君津病院透析室
pp.32-37
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905251
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はじめに
温暖な南総に位置する当院は,透析施設を含む地域に根ざした中規模病院です.しかし,透析施設の不足から,かなり遠くから通院する患者さんもいて,その暮らしも多岐にわたります.
慢性腎不全による血液透析の導入は,それが生涯にわたるという点で患者さんのショックも大きく,人生を見つめ直し生活を再構築してセルフケアを確立していくことが課題となっていきます.これはまた,生活を共にする家族にとっても同じであり,患者さんの透析の導入は,経済的な問題や食生活,そして家族内の関係や役割意識にも微妙な影響をおよぼします.特に最近は,高齢者や糖尿病性腎不全による視力障害によって自立度の低下した患者さんが増えており,このような患者さんの場合には,家族の協力なしでは透析に通うことさえできず,いかに家族を支えていくか,家族援助のニーズはますます高まってきていると言えます.
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