連載 このひと'96
田辺珠子さん—小児がん経験者による自助グループ「フェロー・トゥモロー」サブリーダーをつとめる現役ナース
pp.873
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905182
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同じ悩みをもった仲間の輪を広げていきたい
小児がんでは,患者の約半数が病を克服し社会復帰を果たしている.しかし反面,その後の多感な時期を,周囲のがんに対する無知からくる偏見や好奇の視線に苦しみながら過ごすケースが少なくない.しかもまだ子どもであるために,悩みを打ち明ける相手もなく,闘病中から続く辛い体験は外に向かって語られることのないまま封印されてしまう.
田辺さんもかつて小児がんの闘病経験がある1人.小児がんを患った経験を持つ若者たちのグループ「フェロー・トウモロー」の結成にかかわることになったのは,1冊の本の中で初めて同じ病に苦しむ「仲間」と出会ったことがきっかけだった.その本を編集し,患者・家族支援組織として活動実績のある「がんの子どもを守る会」からのはたらきかけもあり,この自助グループはスタートした.
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