連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・30
乳がん患者のQOLを考えた看護—患者と夫に関する海外の研究
伊奈 侊子
1
1聖路加看護大学大学院
pp.848-850
発行日 1996年9月1日
Published Date 1996/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905175
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はじめに
我が国でも,罹患率が上昇してきている乳がん.女性の社会進出が進み,結婚年齢の上昇,少子出産など女性ホルモンの環境の変化とともに,食生活の欧米化によるものと考えられている.それゆえ21世紀には,死亡率が女性の死因第1位になるだろうと推定されている.
乳がんの治療の主流は,外科的手術療法であるが,近年は,早期がんであり条件が整えば,乳房温存(部分切除)法が可能になった.しかし,なんらかの乳房の変形はまぬがれず,さらに放射線治療が加われば皮膚の変化が生じたり,また補助療法であるホルモン剤の長期服用,抗がん剤の投与によって,体重増加や脱毛など二次的な問題が生じる.
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