特集 看護に活かす経済感覚
看護が病院を変えてゆく
山崎 絆
1
1東京都済生会中央病院包括看護担当
pp.710-715
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905142
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わが国の全病床数は,1996年5月現在で約156万床.厚生省は介護保険導入後,約半数を医療施設の病床として維持し,残りの半分をケアを中心とする高齢者施設にシフトさせる意向と思われる.従来より医療施設のなかに混在してきたキュアとケア,言い換えれば医療の領域と福祉的性格を持つ部分とを明確に切り離し,大方,半分を医療保険で,半分を介護保険でまかなわれることが予測される.
この数字を単純に病院看護に置き換えれば,急性期病院のなかで提供されるものとして残る看護が約半分,高齢者ケアへと向かう看護が約半分との予測が成り立つ.急性期病院としての半数にとどまるか,高齢者施設に転換するか,病院は判断に迫られているが,いずれにしても看護がその方向決定に大きくかかわってくることは間違いない.
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