フランス看護短信・2
独立開業形態で働く訪問看護婦(士)たち
Paule Marchetti
1
,
奥田 七峰子
2
1フランス看護協会
2パリ・アメリカン・ホスピタル
pp.631-633
発行日 1996年7月1日
Published Date 1996/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905124
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訪問看護の成り立ちと歴史的背景
20世紀初頭,フランスではボルドーにおいて医師のハミルトン,さらにエヴルー市においては市役所が,家庭を訪問する医療サービス団を構成した.1900年代は,結核の大流行と乳幼児死亡率の上昇により,ほかの医療機関よりもこの患者の各家庭まで来てくれる訪問医療サービス団が脚光を浴びるようになる.1906年より,レオニー・シャプタル女史(CII*1929〜1933年会長)とその友人テンヌ婦人らによりパリに“私立看護婦学校”なるものがつくられ,そこで未来の看護婦になるべく学ぶ生徒のために訪問看護システムをカリキュラムに導入する.その後第一次世界大戦直前,ある国際女性会議において多数の医師たちの明らかな不賛成をよそに,フランスではじめての試みに“ディストリクト・ナーシング(地域看護施設)”が設立される.
1914年2月,営利組織としての訪問看護団体がはじめてつくられる.この団体は,パリの各区に看護グループを置き,医師たちによって指示された各患者家庭を訪れ介護することを目的とした.この後1914〜1918未年にかけて大戦のため,この団体の活動の伸展は一時停滞を余儀なくされた.
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