連載 援助場面からまなぶ家族看護学・1【新連載】
家族と向きあう—援助しながらアセスメント
渡辺 裕子
1
,
鈴木 和子
1
1千葉大学看護学部家族看護学講座
pp.664-667
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904850
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連載をはじめるにあたって
昨年は国連が定めた国際家族年にあたり,さまざまな領域で家族がクローズアップされました.そして看護の領域でもここ数年,家族看護学確立の気運が高まってきています.実際,看護職は,家族員の1人が病気になることによって家族がいかに身体的・精神的に重大な影響を受けるかを,苦悩する家族の姿に直接触れて,日々肌で感じていますし,逆に,家族の対応によって患者の闘病意欲やセルフケア行動が大きく左右されることを体験している方も多いことでしょう.
このように患者と家族は切っても切れない存在であり,看護は,古くからこのような患者と家族の相互作用に注目した援助を行なってきました.しかし,それは,患者さんの回復のために家族に望ましい行動を期待するという意味合いが強く,また,援助自体も多くは看護婦の経験や勘に頼ったものでした.1つひとつの援助にひそむ原則を導き出して普遍化する努力が十分重ねられてきたとはいえません.
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