連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・23
哺乳状態の客観的評価方法:新生児吸啜アセスメントスケール,NOMAS
松原 まなみ
1
1松原助産所
pp.168-171
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905018
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はじめに
乳児の吸啜状態を評価することは母乳哺育を推進するうえで重要な意味を持っているにもかかわらず,その判断基準や指標は不明確である.NICUのようなハイリスク児を扱う領域では,神経学的異常の発見や経口摂取の適応を判断する意味から吸啜状態のアセスメントが必要となるが,有効なツールがなく,哺乳障害の正しいアセスメントが困難な状況にある.
筆者は,筋電図と口中ビデオ撮影,吸引圧の測定などにより乳児の吸啜機能の発達および異常について研究しているが,これらの測定器械を用いない日常的な観察方法として,吸啜状態の有効なアセスメントスケールがないものかと模索していた.そうしたなかで見つけたNOMAS:Neonatal Oral Motor Assessment Scaleは,1986年にBrownとPalmerらによって開発された吸啜状態の評価法で,舌と顎の動きを重視して構成されている点,NNSとNS*に分けられている点が筆者自身の臨床感覚と合致し,たいへん共鳴をおぼえたものである.開発以後,いくつかの検証研究によってその有効性が検討されているので,その創始期の論文および妥当性,信頼性を検討した代表的な論文2点について紹介する.
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