連載 今日から始めるDevelopmental Care 一歩先行く援助者を目指して・7
吸啜と嚥下の生理学と発達―「哺乳」をディベロップメンタルケアの一環として捉え直す
大山 牧子
1
1神奈川県立こども医療センター周産期医療部新生児未熟児科
pp.954-958
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100304
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はじめに
皆さんの職場では,低出生体重児の経口哺乳は何を基準に開始されていますか? 修正在胎週数ですか? 現在の体重ですか?「はじめに哺乳びんから飲めることを確認してから直接授乳を始める」という施設も多いと聞いています。
実は,これらはいずれも科学的な根拠のない経験的な方法なのです。赤ちゃんに搾母乳や人工乳を飲ませるという行為は日常的なものなので,NICUのような集中治療の現場では,他の医療行為に比べて特別に関心を払われないルチーンの業務と考えられがちです。
以前は,なるべく短時間でたくさん赤ちゃんが飲める方法がよいと考えられていました。現在では,哺乳は,赤ちゃん自身が授乳する人と積極的にかかわり哺乳することで満足する過程,と見なされるようになりました1)。
ここでは,吸啜嚥下の発達過程について学び,哺乳行為をディベロップメンタルケアの一環として捉えてみましょう。さらに,哺乳びんからの哺乳と乳房からの哺乳との違いについて,最近の知見を加えて紹介します。
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