連載 買いたい新書
生と死とその間―医療従事者と病魔との冒険物語
呉 鶴
1
1東京大学医学部保健社会学教室
pp.172-173
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905019
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神経内科医であるクローアンズの作品は,メディカルエッセイとして「なぜ記憶が消えたのか」「ニュートンはなぜ人間嫌いになったのか」と,シカゴ大学病院を舞台としたミステリー小説の「インフォームド・コンセント」がすでに邦訳されている.
本書は,最も医学が発展していると報告されているアメリカでの,さまざまな患者や家族に対する医療現場が描かれている.読むにつれてどんどん惹かれていき,読み終えるまで,この本から離れられなかった.驚くほど興奮させられる内容は,フィクションではなく,著者が一人前の医師になる前のインターン生活中にパーキンソン病の患者に出会って以来30年以上の長きにわたって,「真の医師」「本当の意志」「最善の医療実践者」に至るまでの彼が体験した実話である.
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