グラフ
—体験者の会が共同主催—『女のからだフェスティバル—女性と医療の関係を問いなおす』—ロールプレイで考える「守られていない女性にとっての患者の権利」
pp.12-15
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904979
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去る9月30日の土曜日,横浜女性フォーラム・ホールにて『女のからだフェスティバル—女性と医療の関係を問いなおす』が催された.乳がん体験者の会「ソレイユ」と子宮筋腫体験者の会「たんぽぽ横浜」が共同主催し,乳がん体験者の会「イデアフォー」,子宮内膜症の自助組織である「子宮内膜症協会」が協賛のかたちで加わるといった,消費者団体によるイベントである.
午前中は,乳がん,子宮筋腫,子宮内膜症といった女性特有のからだのトラブルを女性の目線でとらえたならば,現在の診療体制がどれほど自分たちの要望に応えていないものであるかを実感している主催者が,同じ気持ちの女性に向けての情報発信として各グループの展示を行ない,無料で相談を受けた.「たとえもともと小さくとも,乳房がなくなるということは,女性にとって大きなことなんです.乳房を女性のシンボル視することに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが,乳房にはいる傷の痛みが,ほかの部分のものとまったく異なるということは,事実なのではないでしょうか.そのことを医療者も了解してくれる環境でないと,本当に納得したうえで治療を受けるといった実感は持てないと思うのです」と,当日相談受け付け席に座った「ソレイユ」のメンバーはおっしゃる.事実,自分にとって,いま子宮筋腫の手術を受けたほうが本当に良いのか迷い,自分のケースは乳房温存療法が適応になるのか,ならないのかを迷い,病院を転々とする患者は多い.
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