特集 医療倫理を学ぶ―21世紀における看護者の教育
第4部 医療をとりまく社会の変化
医療事故と患者の権利
久保井 摂
1
1九州合同法律事務所
pp.963-968
発行日 2000年11月30日
Published Date 2000/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902395
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増える医療事故報道
連日のように医療事故に関する報道が新聞やテレビを賑わせています.この傾向は,1999年1月の横浜市立大学病院の患者取り違え事件以来,ことに顕著になってきました.例の雪印スキャンダルが大きく報じられてからは,それに一層拍車がかかっているように思われます.
こうした動きを反映してか,医療事故の法律相談件数も最近急激に増えています.例えば私が所属している九州・山口医療問題研究会では,設立以来20年以上にわたり,沖縄を除く九州各県と山口県で医療事故相談を受けていますが,1998年度の相談数が143件であったのに対し,1999年度の相談件数は225件と飛躍的に増えました.これはどの相談窓口でも共通してみられる現象です.
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