ホスピスからのレポート 続・死にゆく人々のケア・4
患者の権利
柏木 哲夫
1
1淀川キリスト教病院
pp.442-447
発行日 1985年4月1日
Published Date 1985/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921058
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‘ホスピスの目的は何ですか’とよく質問される.この質問に対しては様々な答え方があると思う.やや抽象的になるが,‘その人がその人らしい生を全うするのを支えること’がホスピスの目的であろうと,私は考えている.この目的を実現させるためには,実に多くの具体的なことが必要である.前述した痛みのコントロールもその1つである.
‘その人らしい生を全うする’ためには,まずその人の論理(考え方,生き方,生活の仕方など)を尊重する必要がある.それと同時に,その人が持っている患者としての権利を尊重しなければならない.ここでは,2人の患者さんの例を通して,患者の論理の尊重と患者の権利について考えてみたい.
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