研究と報告
口腔清潔法における細菌学的効果の検討
堀野 歩美
1
,
吉田 園美
2
,
芳野 恭子
3
,
工藤 綾子
4
1順天堂大学医学部附属順天堂医院
2長野公衆衛生専門学校
3順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院
4順天堂医療短期大学
pp.44-48
発行日 1995年1月1日
Published Date 1995/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904721
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はじめに
口腔は舌,歯,扁桃などがあり,周囲は粘膜に覆われ,雛壁に富んでいる.そこに適度な温度,湿度,食物残渣が加わることで細菌が繁殖しやすい状態になる.このため,一旦感染を起こすと歯周炎,歯肉炎,耳下腺炎などの炎症を起こしかねない1).そのため,口腔内は常に清潔に心がけなければならない部位といえる.しかし,患者のなかには口腔内の清潔が十分保つことができなかったり,清潔に対する意識低下をおこしている患者もいる.このような状況の患者については病状や自立の程度に応じ,さまざまな方法で口腔内の清潔が保たれる必要がある.そのため,今回は臨床患者と健康人の比較から綿棒,洗口,歯ブラシなどの清潔方法の違いによる口腔内の細菌の変化を観察し,現在行なわれている方法が口腔清潔を必要とする患者にとって効果的な方法かどうかを実験によって明らかにしたのでここに報告する.
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