寝たきり老人の訪問看護
皮膚の清潔
島田 妙子
1
1東京白十字病院
pp.744-745
発行日 1976年7月1日
Published Date 1976/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917930
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‘ひと味’違う清拭とは
梅雨の声をきくと,気温が高くなり,健康な私たちもベタベタと汗をかき,1日の終わりには入浴するか,シャワーを浴びないとなんとなく落ち着かなくなる.自分の都合で入浴の機会を失ってさえも,なんとなくいまいましいような,さっぱりしない気分である.自分のことが自由にできる私たちでさえこんなふうなのだから,風呂好きの明治・大正生まれの寝たきり老人の気持ちはどうであろうか.高温多湿の日本では,寝ているだけでもなんとなく汗っぽくなるものである.
看護婦が寝たきりの病人を看護するとき気にかけることの1つに,‘皮膚の清潔’がある.皮膚を清潔にすることは,病人にとって大きな利点があるのに,おろそかにされやすいように思われる.食事や排泄と違って,生命を大きく左右するほどの問題にならないからだろう.
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