研究・調査・報告
沐浴槽の細菌学的検討
葛西 敦子
1
,
大畠 淑子
1
,
木村 宏子
1
1弘前大学教育学部看護学科
pp.230-237
発行日 1989年3月25日
Published Date 1989/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207579
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はじめに
沐浴は,新生児の清潔保持の方法として,看護上第一にあげられる。新生児の沐浴法としては,わが国では従来,温水浴が行なわれてきた。この温水浴の利点としては,皮膚の清潔保持,心地よい気持ちにさせる,血行促進による代謝亢進から哺乳欲の増進,全身観察に都合がよい,などがあげられ,原則として1日1回行なうこととされている。
しかし,このような利点をもつ沐浴にも問題がないわけではない。児の体力消耗,疲労・体温発散による体温低下,皮膚とくに臍部の感染のおそれなどである。さらに,身体清潔保持の目的で行なわれるはずの沐浴が,沐浴槽や温湯が不潔であるために,逆に新生児感染の危険性を招くことは,看護上,重要視されるべきことである。
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