特集 新看護体系が与えるインパクト
看護の岐路—新看護体制
川島 みどり
1
1臨床看護学研究所
pp.1092-1093
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904694
- 有料閲覧
- 文献概要
1994年の診療報酬改定は,看護のよって立つべき根本が問われるものであると受けとめた.だが,さまざまな立場の看護職の方たちと話し合った印象では,そうした反応を示されることはあまりなく,筆者の思い過ごしかとさえ思われた.そうしているうちに,10月を迎えてしまい,詳しく内容を見れば見るほど疑問点がふつふつと沸いてくる.今すぐに基準看護体制がなくなるわけでもなく,どのコースを選ぶかはその医療機関の実情に任されるというのだから,余り危機感を感じなくてよいのかも知れない.それどころか,最新の日本看護協会機関紙(協会ニュース331号)の解説の見出しは,新看護体系歓迎を思わせる書き方でさえある.
何でもそうだが,見る視点や立場によって,まるで正反対にも見えるものである.そこで,まだ始まったばかりではあるが,10月診療報酬改定の中の,「新看護体系の創設と付添看護の解消」に的を絞って意見を述べてみたい.診療報酬体系の一環でもあり,当然その費用についての意見も述べるべきだが,ここでは,看護の専門性から感じた新看護体系について考えて見よう.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.