特集 新看護体系が与えるインパクト
看護の経済的評価と付添看護廃止の展望—新看護・看護補助体系の意義と問題点を考える
高木 安雄
1
1社会保障研究所調査部
pp.1086-1091
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904693
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看護・介護がなぜ制度改革の焦点となるのか?
急速な高齢化が進むわが国では,高齢者のための在宅・施設サービスの量と質の確保は緊急の政策課題となっている.老人訪問看護サービスやゴールドプラン,老人保健福祉計画などが相次いで打ち出され,全国で実施されているのはそのためである.高齢化が急速な分だけ,量と質,在宅と施設というサービス整備を同時に行なう必要があり,そのためには緻密な計画とその評価システムに加え,財源確保という大きな壁を越えなければならない.
もともと,わが国の高齢者ケアは保健・医療・福祉の各分野で提供されており,1973年の老人医療費無料化によって,病院・診療所など医療に偏重したサービス提供がその特徴といえる.特別養護老人ホームなどの福祉施設は,福祉サービスゆえに税金という財政の制約を強く受けるとともに,「措置制度」*が国民の利用を阻害してきたことは否めない.
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