連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・8
『患者からみた看護者の行為』に関する研究の動向
大川 貴子
1
1兵庫県立看護大学
pp.1034-1037
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904681
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“質の時代”といわれる今日,看護においてもケアの質が問われている.では質の高いケアとは一体何であろうか.この問いを考えるにあたっては,看護者の行動や態度に対して,患者はどのように受けとめているのか,ということを問う必要があろう.
看護界で,ケアの中核を成すものとして,ケアリングという言葉が使われ始めて久しいが,Mayer(1986)が指摘しているように,ケアリングとは何かについての看護者の考えや,逸話的な報告は多く見られる中で,実際に患者にとってケアリングとなりえているのは,どのような看護者の行為なのかを明らかにするような研究はまだまだ少ない.そこで今回は,看護者のケアリング行為に対する患者の認知に関するMayer(1986)の文献レビューを参考にしながら,『患者からみた看護者の行為』についての研究をいくつか紹介してみたい.
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