病院と統計
在院期間からみた入院患者の動向
前田 行雄
1
1厚生省官房企画室
pp.10-11
発行日 1972年5月1日
Published Date 1972/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204646
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3月号では,患者調査によって患者数と受療率の動向を観察したが,同調査では,このほかに6月中の退院患者についての調査も行なっている.退院患者の総数は,病院報告によって知ることができるが,患者調査では,患者の性,年齢,傷病の種類,在院期間,治療費の支払方法なども知ることができる.
3月号で紹介した患者調査の入院患者数は,45年7月8日中に医療施設に在院していた入院患者数であって,これは7月7日以前から病院に在院していた患者数(繰越入院患者数)と7月8日に新たに入院した患者数(新入院患者数)とに分けられる.繰越入院患者数は,7月8日午前0時現在の在院患者数に相当するので静態統計であり,新入院患者数は,7月8日午前0時より7月9日午前0時までの間に発生した新入院患者数であるから動態統計である.また,これから紹介する退院患者数も,6月1か月間に発生した退院患者を取り扱っているので動態統計である.一般に,新入院患者についての統計が,より最近の発病状況をあらわすのに対し,退院患者についての統計は,新入院に比べて傷病名がより正確なこと,在院日数を知ることができることなどが,その特色ということができよう.
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