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特集 死別にまつわる心理的苦痛—背景理論からケアおよびマネジメントまで
自死遺族のケア—遺族から臨床精神科医に望むこと
Care for Family Survivors of Suicide:What Do the Bereaved Expect from Psychiatrists?
岡 知史
1
,
田中 幸子
2
,
齋藤 智恵子
2
Tomofumi Oka
1
,
Sachiko Tanaka
2
,
Chieko Saitou
2
1上智大学総合人間科学部社会福祉学科
2全国自死遺族連絡会
1Faculty of Human Sciences, Sophia University, Tokyo, Japan
2The National Association of Family Survivors of Suicide
キーワード:
自死遺族
,
family survivors of suicide
,
臨床精神科医
,
psychiatrists
,
自助グループ
,
self-help groups
Keyword:
自死遺族
,
family survivors of suicide
,
臨床精神科医
,
psychiatrists
,
自助グループ
,
self-help groups
pp.1619-1624
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206801
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抄録 全国自死遺族連絡会は,約3千人の自死遺族の交流の場になっているが,そこで蓄積された自死遺族の体験的知識から,臨床精神科医の自死遺族へのサポートあるいは配慮として次の3点を望みたい。第1に死別直後から,遺族には食欲不振,不眠,頭痛などの重い身体症状を含む,生きていくのに困難な状況が続くことがあり,その軽減のための治療を行うことである。第2に,愛する家族を自死で喪った悲しみは,長く続くものであり,それを安易に「病気」と捉えないでほしい。第3に,自死遺族の自助グループとの連携を考えてほしい。自死遺族は,上記の身体症状だけではなく,法的問題,経済的問題などで苦しんでいることがあり,そのときは自助グループとの連携が,遺族の助けになる。アルコール依存症の治療では,精神科医と自助グループの協働が実現している。同様の協力関係を自死遺族の自助グループは求めている。
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