連載 カラーグラフ
ヤッたね看護—柳原病院の試み・7
心の底から生み出される一言
近藤 やよい
1
1柳原病院3階病棟
pp.882-883
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904646
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病床で,Nさんは全身が動かない状態であることを悟ったようでした.しかも今まで短いながらも“文”としての言葉が話せていたのに,その時は全く言葉が出てきませんでした.51歳のNさんは,年老いた両親との3人暮らし.自宅の2階で倒れていたわが息子(Nさん)を緊急入院させたものの,動けない,話せないその姿を見,父親は心中の不安を私たちに訴えました.Nさんは2年程前に右半身不全麻痺となっていました.今度の入院で,父は息子とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまうことを切なく思っているようでした.
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