連載 カラーグラフ
生体のメカニズム・34
神経の生理・2
試験になるとどうして胸がどきどきしたり,鳥肌が立ったりするのか
大橋 俊夫
1
TOSHIO OHHASHI
1
1信州大学・第一生理学
pp.884-887
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904647
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期末試験も終わり一段落した頃にまた試験の話で恐縮ですが,記憶も新たなうちにと思い,今月号では「試験になると,特に用意が十分でなく一夜漬けであったり,見慣れない,一見難しそうな問題に出会うと,どうして胸がどきどきしたり鳥肌が立ったりするのだろう」という話題を取り上げてみたいと思います.
こうした体験は,何も試験の時ばかりでなく,「好きな人と話した」り,「友人と口げんかをしてしまった」時などにも同じような状態になることを体験していることと思います.何か私たちの気持ちの中で興奮するようなことがあると,体はいつも同じような反応(胸が高鳴り,呼吸が速く,しかも掌に汗をかいてくる)を起こしてくることが分かります.このような体の変化は神経,特に交感神経の働きによって調節されています.ですから今月号では,この交感神経の働きについてよく学んでいただきたいと思います.
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