時評
中間施設論議に一言
姉崎 正平
Masahira ANESAKI
pp.615
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208879
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昨年1月に出された社会保障制度審議会の「老人福祉の在り方について」と題する建議の中で示された中間施設構想が一石を投じ,関係方面を中心に少なからぬ波紋を起こし,多くの議論を巻き起こした.各種団体や個人が中間施設について意見や提言を出し,その潮流に乗って,中間施設について雑誌が特集を行ったり,単行本も出された.
厚生省もすかさず「中間施設に関する懇談会」を発足させ,4月から8回の会合を開き,8月初めに中間報告を発表した.同省はこれらを受けて,すでに今年から中間施設のモデル事業を全国10か所で始めており,来年には法制化する模様である.臨調路線に沿って,審議会などの動きを睨みつつ,行政当局が具体案を準備し,調査費やモデル事業を予算化し,法制化にもっていくという最近の行政当局の早い対応の例である.
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